税金は誰のために使われているのか──補助金と減税が生む「企業中心国家」の現実

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はじめに:リフォーム補助金で気づいた違和感

先日、マンションの内窓を設置するリフォームをした。
国や自治体の補助金制度を使ったら、設置工事費の40%が戻ってきた。
実際に申請は業者任せで、返還はスムーズだった。

けれど、ふと胸の奥にひっかかるものがあった。
「この補助金、結局は企業を潤わせるための仕組みじゃないか?」

国民から徴収した税金が、“環境対策”や“エコ支援”という名目で企業や業界を回すための資金になっている──そう思うと、制度の本質が少し見えてきた気がした。

税金の流れは「国民 → 国 → 企業」

表面上は「国民支援」や「環境政策」のように見える補助金。
しかし、そのお金の流れを追うと驚くほど単純だ。

  1. 国民が税金を払う。
  2. 国が補助金制度を作る。
  3. 実際に恩恵を受けるのは、企業・メーカー・コンサルタント。

つまり、国民から吸い上げた税金を、遠回りして企業に戻す循環構造になっている。

たとえば、リフォームの補助金を受けたとしても、その費用の大半は指定メーカーの窓や部材に使われる。
工事を請け負う業者、製品を提供する企業──結局、最も潤うのは“企業サイド”なのだ。

「個人支援」に見せかけた企業支援の構造

住宅ローン控除は誰のため?

住宅ローン控除も、一見すると「個人の住宅取得を助ける制度」だ。
しかし、実態は住宅市場を支えるための仕組みである。

  • 家を買う人が増えれば、不動産会社や建設業界が潤う。
  • ローンが組まれれば、金融機関は長期的な利息収入を得る。
  • 控除があることで、高額住宅でも「お得に感じる心理」が働く。

つまり、税制を使った需要刺激策=企業支援策なのだ。
家を買えない層には、何の恩恵もない。

省エネ補助金も同じ構造

「環境に優しい」「脱炭素」といった言葉は、聞こえはいい。
けれど、省エネ補助金もまた、特定企業を潤わせる仕組みになっている。

  • 登録された製品しか対象にならない。
  • 登録には大企業の製品が多く、中小メーカーは蚊帳の外。
  • 工事費に補助金が出るため、実質的に価格が上がっても消費者は気づかない。

その結果、税金で寡占市場を守る構造ができあがっている。

他の政策にも見える「企業優遇」

  • 消費税の輸出還付
     → 輸出企業は仕入れ時に払った消費税が還付され、実質的に負担ゼロ。
  • ふるさと納税
     → 自治体の取り合いを生み、手数料ビジネスでプラットフォーム企業が大もうけ。
  • 派遣企業の税制優遇
     → 労働者を使い捨てにしながら、企業は人件費を経費として計上できる。

これらを見ていくと、「企業が得をして、国民が支える」構造がはっきりと見えてくる。

法人税減税が格差を広げた

政府は長年、「企業の国際競争力を高めるため」と言って法人税を引き下げてきた。
だが、実際に起きたのは投資の停滞と格差の拡大だった。

  • 企業の内部留保は過去最高を更新。
  • 設備投資は伸びず、賃金も上がらない。
  • 減税分は配当や株主還元に回り、富は国外にも流出。

つまり、法人税減税は“経済活性化”どころか、富の偏在を固定化する政策だった。

消費税という「逆進性の罠」

一方で、消費税はすべての国民から均等に取られる。
所得が少ない人ほど、生活費の中に占める税の割合が高くなる。
つまり、貧しいほど重くのしかかる税なのだ。

しかも輸出企業には「還付金」として返ってくる。
国内の消費者が払った消費税が、輸出大企業の利益として戻る──こんな仕組みを“公平な税”と呼べるだろうか。

国民のために税金を使うという原点に戻れ

ここまで見てくると、いまの日本の税制が「国民のため」ではなく「企業のため」に動いているのが分かる。

だが、本来の税金とは「国民の暮らしを支えるため」にあるはずだ。
企業を通して回すのではなく、もっと直接的に使うべきだと思う。

消費税の撤廃・軽減

最も公平な再分配は、まず「取らないこと」だ。
消費税を撤廃・軽減すれば、生活に直結する可処分所得が増える。
消費が回れば、中小企業や地域経済にも自然と波及する。

教育・子育て支援への投資

教育格差は、将来の所得格差につながる。
教育・保育・奨学金支援に税金を充てることは、将来の納税者を育てる最大の投資である。

地方インフラの再生

老朽化した道路・橋・上下水道──これらを整備することは、単なる公共事業ではなく「未来への保険」だ。
地方インフラの再整備は、雇用を生み、地域の自立を支える。

トリクルダウンの幻想を終わらせよう

「企業が元気になれば、やがて国民にも富が滴り落ちる」──この“トリクルダウン理論”は、すでに破綻している。
実際には、企業内部で富が止まり、国民には届かない。

これからは逆だ。
国民の生活を底から支えることで、経済が安定する
下から支える社会構造への転換こそ、今求められていることだ。

おわりに:税金の意味を取り戻すために

税金は、本来「みんなのための共通財産」だ。
けれど今は、その使い道が企業や業界に偏り、国民の暮らしに戻ってこない構造が出来上がっている。

企業を優遇する補助金や減税はもう十分だ。
今こそ、人の暮らしを直接支える税の使い方へ舵を切るべきだと思う。

国民が安心して暮らせる国。
子どもが希望を持てる社会。
その実現に税金が使われるのなら、誰も「取られる」とは感じないはずだ。

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