致知を読む前に、致知を読む|問いから始める読書法

致知感想

致知を開く、その前に

私は、致知をいきなり読まない。

まずやるのは、特集テーマを見ることだ。

そして、そのテーマについて、
今の自分なりに問いを立て、
思考し、短くてもいいから文章にまとめる。

致知を読むのは、そのあとである。

多くの人は「読んでから考える」

一般的な読書は、こう進む。

  1. 記事を読む
  2. 立派な言葉に触れる
  3. 感想を持つ

この順番自体は、間違っていない。

だが、致知のように
「完成度の高い言葉」が並ぶ雑誌では、
この順序がそのまま思考停止につながりやすい。

なぜなら、
問いが立つ前に、答えが置かれてしまうからだ。

答えを受け取った瞬間、
思考は「終わる」。

先に問いを立てると、読書の質が変わる

特集テーマを見る。

それだけで十分だ。

  • なぜ今、このテーマなのか
  • 自分の現場ではどういう意味を持つか
  • 今の自分なら、どう考えるか

この段階では、
正しい答えなど必要ない。

むしろ、

今の自分の不完全な思考

を、そのまま言葉にすることが大切だ。

「書いてから読む」と、立派な言葉が無力化する

一度、自分の考えを出してから致知を読むと、
誌面の見え方が一変する。

  • 言葉に圧倒されない
  • 同意も反論もできる
  • 違和感がはっきり見える

致知の記事は、
教えではなく対話相手になる。

これは、
相手を下に見ているわけではない。

自分の思考を、
同じ土俵に置いただけだ。

読むのは「答え」ではなく「思考の条件」

致知に登場する人たちは、
なぜ同じように見えて、
同じことを言わないのか。

それは、
置かれている環境も、
向き合ってきた現実も、
背負ってきた関係性も違うからだ。

先に自分で考えていると、
自然と目が向くのは、

  • どんな現場で
  • どんな違和感を抱き
  • どんな制約の中で

その考えに至ったのか、という点になる。

言葉ではなく、
思考が生まれた条件を読むようになる。

思考は、不快感から始まる

この読み方をすると、
致知を読んだあとの感想は、
こうはならない。

「いい話だった」

代わりに残るのは、

  • 自分の問いは浅かったかもしれない
  • 別の問いの立て方があった
  • 自分の前提がズレていた

といった、
少し居心地の悪い感覚だ。

だが、この違和感こそが、
思考を前に進める。

致知は「読む雑誌」ではなく「使う雑誌」

致知は、
立派な人を崇めるための雑誌ではない。

人生訓を集める本でもない。

自分の思考を試し、
揺さぶり、
更新するための道具だ。

先に問いを立て、
仮の答えを出し、
そのうえで読む。

それだけで、
致知はまったく別の雑誌になる。

なぜ、この読み方はなかなかできないのか

この「読む前に考える」読み方は、
多くの人にとって難しく感じられる。

それは能力がないからでも、
思考力が足りないからでもない。

理由はシンプルで、
特集テーマと自分の日常が、まだ接続されていないからだ。

致知のテーマは、

  • 抽象度が高く
  • 道徳的に正しそうで
  • すでに完成された言葉に包まれている

そのため、
考える前に「分かった気」になりやすい。

すると、
自分の生活や仕事、身体感覚に降りてくる前に、
思考が終わってしまう。

「思いがない」のではなく、「降りてきていない」

テーマについて何も書けないとき、
人はついこう考える。

「自分には、そこまでの思いがないのかもしれない」

だが多くの場合、
それは間違いだ。

思いがないのではない。

まだ自分ごとになっていないだけ

なのだ。

無理に立派なことを書こうとすると、
余計に手が止まる。

必要なのは、
正しさではなく、
今の自分の未整理な感覚である。

書けない状態は、むしろ健全

特集テーマを見て、
何も浮かばない。

それは失敗ではない。

むしろ、
そのテーマが
まだ自分の現場に降りてきていない
という、正直なサインだ。

今日は書けないテーマがあっていい。
今月は引っかからない特集があっていい。

無理に思考をひねり出す必要はない。

日常を見ている人だけが、この読み方に辿り着く

先に考えてから読む、という行為は、
訓練で身につくものではない。

日常を観察し、
自分の現場で考え続けている人に、
後から自然についてくる読み方だ。

だから、多くの人には難しい。

そして逆に言えば、
この読み方ができているということは、

すでに日常と思考が接続されている

という証でもある。

おわりに|テーマが、先に近づいてくる

無理に考えなくていい。
無理に書かなくていい。

日常をきちんと生きていれば、
ある日、
特集テーマの方から、
こちらに絡みついてくる。

その瞬間に書いた言葉は、
立派ではないかもしれない。

だが、
自分の現場から立ち上がった
確かな思考になる。

致知は、
読む前から始まり、

生き方の中で、静かに効き始める。

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