※この記事では、「色」や「空」といった『色即是空』の概念を扱っています。
※「色」と「空」、そして『色即是空』の意味をより深く知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
読書とは宇宙を広げる行為
私にとって読書とは、自分の宇宙を広げる行為です。
ページをめくるたび、作者の言葉や思想、物語の世界が私の内側に流れ込み、私の中で空となります。
その空はただ静かに広がるわけではありません。
すでにある知識や体験、考え方という空と出会い、衝突し、響き合うのです。
読書は静かでありながら、同時にダイナミックな宇宙の営みです。
一行の言葉、一節の表現が、私の思考の軌道を変え、見えている世界の色彩を変えてしまうことさえあります。
核融合の瞬間
知識や世界観がぶつかるその瞬間は、まさに核融合です。
原子が衝突し新しいエネルギーを生み出すように、異なる価値観や思想が衝突すると、新しい光が生まれます。
その光は理解の閃きであったり、感情の揺れであったり、考え方の刷新であったりします。
多岐に渡る分野の知識や抽象的な概念が、日常の経験とぶつかる瞬間、頭の中で小さな爆発が起きたような感覚を覚えました。
それはまるで、自分の宇宙に小さな星が生まれる瞬間のようでした。
火花と熱の体験
衝突の熱は、時に静かで、時に猛烈です。
小さな火花が散るように胸が熱くなる瞬間もあれば、ページをめくる手が止まらなくなるほど強烈な光を放つ瞬間もあります。
その熱と光は、知識の粒子がぶつかり合った証であり、私が新たな自分に出会う瞬間でもあります。
読書中に感じる胸の高鳴り、思考の揺れ、心の震え──それらすべてが、この核融合の一部です。
静かに膨張する宇宙の中で、熱と光は混ざり合い、私の世界を少しずつ変えていきます。
衝突が生む広がり
核融合によって生まれたエネルギーは、私の宇宙を広げます。
狭かった視野が開き、世界が鮮やかに見えるようになる。
これまで当たり前だと思っていた考えや価値観が、ぶつかり合うことで溶け、変形し、新しい形を作り出すのです。
たとえば、ある小説で描かれた登場人物の葛藤が、自分の経験と重なる瞬間があります。
その瞬間、私はその物語をただ読むのではなく、自分の宇宙の一部として取り込み、内側で再構築するのです。
新たな知識を迎え入れる空間
広がった宇宙は、新たな知識や体験を迎え入れる場所になります。
過去に読んだ本の光も、その広がった空間の中で新たな意味を持ち、次の読書体験と共鳴するのです。
こうして読書は、私の内なる宇宙を絶えず拡張し続ける、無限のプロセスとなります。
読書は私の核融合装置
考えてみれば、読書とは私だけの核融合装置です。
ページを開くたび、異なる思想や物語が衝突し、火花が散り、熱と光が生まれ、宇宙は少しずつ膨張する。
熱の中には驚きや感動、切なさや喜び、時に痛みも含まれています。
それらすべてが、私の内側の空を形作り、光で満たしていくのです。
読書の後に広がる光
読書を終えたあと、私は必ず少しだけ変わっています。
自分の宇宙に新たな空間が生まれ、そこには以前にはなかった光と熱が満ちています。
そしてまた次の本を手に取るとき、私はその広がった宇宙に、新しい知識と世界観を迎え入れる準備ができているのです。
読書とは単なる知識の摂取ではなく、私の内なる宇宙を燃やし、光で満たし、膨張させる行為。
核融合のような衝突と融合を繰り返しながら、私は今日も自分の宇宙を少しずつ広げています。








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