アトピーやアレルギーは、家族関係の“鏡”かもしれない──歪んだ関係性が色(症状)となって現れ、絆が生まれると静かに消えていく

家族と向き合う

※この記事では、「色」や「空」といった『色即是空』の概念を扱っています。
※「色」と「空」、そして『色即是空』の意味をより深く知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。

病は「体の不調」だけではないのかもしれない

わが家には、アレルギーやアトピーという「病(やまい)」を抱えた家族がいる。
妻は長年アトピーに悩まされ、娘も肌が弱く、息子は卵アレルギーだ。

医学的な理由はもちろんあるだろう。
けれど私は、家族のあり方を見つめていくうちに、もっと深層にある“関係性の記憶”が、体に反映されているのではないかと感じるようになった。

妻には「父がいる」のに「いない」

妻の父親──つまり、娘や息子にとっての「母方の祖父」は、この世に存在している。
けれど、妻と彼の間には、深い断絶がある

“死に別れ”ではない。
けれど、もっと重いとも言える。
「生きているのに、会わない」
「いるのに、いない」

そういう関係が、この世界には確かにある。
そしてその「歪んだ関係性」は、妻にとっての“空”として、長く心に、そして体に刻まれてきたのではないかと私は思う。

子どもたちにも受け継がれる「歪んだ関係」

妻と義父との関係が歪んでいるということは、娘や息子にとってもそのまま存在しているということでもある。

会ったことはないが、歪んだ関係性はある。
そうした「関係性の歪み」が、身体に何らかのサインとして現れているのではないか。
アトピーやアレルギーといった形で。

人は関係性でできている──
そう考えると、身体がその“歪み”を代弁してくれているようにも思えてくる。

それでも「まっすぐな関係性」は、身体を癒す

ただ、不思議なことが起きている。
妻が母となり、娘や息子との関係性を日々育んでいく中で、妻自身のアトピーの症状が明らかにやわらいできたのだ。

それはまるで、「関係性の再構築」が体を癒しているかのよう。
失われた“上の世代”とのつながりは今もなお歪んだのままかもしれない。
でも、“下の世代”との関係をまっすぐに育むことで、妻自身の病が癒えている

そして身体が、「もう大丈夫」と語りかけているようにも見える。

色(症状)は、空(関係性の歪み)から生まれる

私たちの体は、時として語られなかった感情や、未解決の関係性を、症状という形で表現する。
それは痛みであり、かゆみであり、あるいは呼吸の詰まりである。

目に見える「色」は、目に見えない「空」を内包している。
空=関係性の希薄さ、または歪み。
色=それが“かたち”となって現れたもの。

でも関係性が芽生え、育ち、根づいていけば──
その色はやがて静かに、消えていく。

色即是空 空即是色──関係性は循環する

色即是空 空即是色。
この仏教の根本的な真理は、関係性と身体のあり方にも、通じている気がする。

歪んだ関係性(空)が、色(症状)として現れ、
新たな関係性によって癒されていくことで、
その色は空に還る。

その循環の中で、人はまた自分の身体と心を取り戻していくのだと思う。

今日も、家族の手を握る

私はただの父であり、夫である。
でも、家族を見つめる中で、確かに感じるものがある。
関係性が、身体と心を形づくっているということ。

傷ついた関係がすぐに癒えるわけではない。
でも、新たな関係性の中で、過去も少しずつ癒されていく。
今日も、家族の手をしっかり握ろう。
そこに、未来が宿っている。

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